未知のコロナに立ち向かうには…若新雄純「矛盾を愛せるように」

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。12月17日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、慶応大学特任准教授でプロデューサーの若新雄純さんが“GoToとステイホーム”について述べました。

◆改めて考える「Go To」と「ステイホーム」

一連のGo To キャンペーンについて若新さんは、「いいところもあれば微妙なところもある、100%完璧な政策でもないけど100%愚策とも言いきれない」と率直な印象を述べます。MCの堀潤もGo Toの話題になるとありかなしかの二元論になることに疑念を抱いているようで、Go Toを続ける、続けないではなく「Go Toを踏まえた上で僕らは何をすべきか。丁寧に考えるべき」と若新さんは明言。

若新さん自身も、出張の際にGo Toを利用し、さまざまな効果があったと推測しますが、Go Toによる影響で重視すべきはそれによる感染者の推移考察ではなく「Go Toが盛り上がったことでGo Toを使うとき以外も"Go To(の期間中)だからみんなでかけていいよ”という間違ったメッセージが世間に広まりかけたこと」と言います。

というのも、本来"Go Toは外出しても大丈夫”という前提で始まったのではなく、「本当はでかけないほうがいいけど、このままでは観光地が大変なので、ある意味やむなしのトレードオフ」と解説。しかし、結果的にはステイホームの意識が希薄に。そして全国で感染者が拡大したわけですが「思い出すべきことはステイホーム、それは変わらない」と強調。

◆今後も続くコロナの影響…2021年は矛盾を愛すべき

感染拡大の理由として「『政府がダラダラとGo Toを続けたせいだ』と言うのは簡単」と若新さん。当然、政府にも足りなかったことはたくさんあり、その1つが「Go Toを続けたいがゆえに、『Go Toで感染拡大はほとんどなかった』と言い過ぎたこと」と若新さん。むしろGo Toにもリスクがあり、感染が拡大する可能性を示しながら、観光地のために続けるとしっかり提示し、その上でGo Toを利用する人以外の、特に用事のない人は家にいるという矛盾する行動をしっかり伝え、「Go Toなんだけど、ステイホームできる限りはステイホームしようと頭を下げてお願いするべきだった」と言います。

こういった矛盾は2021年もあると若新さんは示唆し、「白黒求め過ぎず、(2021年は)矛盾を矛盾として批判し怒るのではなく、矛盾を愛せる年にしないといけない。Go Toによっていいことも悪いこともあった。その両方をちゃんと見られる社会にならないと、極論ばかりになってしまう」と訴えていました。

弁護士の三輪記子さんは「政策はメッセージ」という面では若新さんに賛同しつつ、「メッセージを発する側が、上手に発信する能力が弱いから間違った伝わり方をする」と意見します。そして、危機的状況にある今は話し合いをしている場合ではないというような考えを危惧し、「危機的状況であるからこそ、私たちは議論から逃げてはいけない。矛盾することに目を瞑るような社会になってはいけない」と主張していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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