「#迷い犬」で早期発見と再発防止 SNSで情報発信 長崎市動物管理センター 早期発見と再発防止に活用

迷い犬の情報を伝える長崎市動物管理センターのツイッター画面

 長崎市茂里町の市動物管理センターは、首輪が外れて自宅から逃げ出すなどして保護された迷い犬の情報を、会員制交流サイト(SNS)で発信している。飼い主の早期発見だけでなく、再発防止への啓発にも力を注ぐ。
 ツイッターは2016年7月に開始。「#迷子犬」などのハッシュタグ(検索用の目印)を付け、写真のほか保護場所や犬の種類、見た目の特徴、首輪の有無などの情報を発信している。投稿は愛好家ら100人近くにリツイート(転載)されている。
 飼い主が見つかるとツイッターで報告。情報が広く拡散されることを期待し、再発防止に向けて「室内や庭で囲って飼っていても、逃げてしまうことがある」「普段から首輪や迷子札などの装着を」と呼び掛け、逃げた場合はすぐに同センターや近くの交番へ連絡するよう念を押している。
 迷い犬の情報はこれまでチラシにまとめ、保護した地区の自治会掲示板や、コンビニエンスストアなどに掲示してきた。こうした地道な広報にSNSを加えることで、状況に応じた注意喚起にもつながっている。大きな音や光を怖がって逃げ出す犬が多いため、大雨や台風、花火などに注意し、できる限り室内に入れるよう呼び掛ける。
 飼い主が判明しない場合は希望者へ譲渡。ボランティア団体などの協力もあり、同センターの犬の殺処分は14年度以降ゼロを保っている。ただ、施設の収容能力は常にぎりぎりで、今後の状況次第では殺処分せざるを得ない事態も想定されるという。収容中に自然死するケースもある。
 同センターの松永唯史所長は「すぐに飼い主が見つかるよう登録の鑑札と注射済票、飼い主の連絡先を書いた迷子札を装着してほしい」としている。新型コロナウイルス感染防止の観点から今月末まで見学や譲渡を休止しているが、問い合わせは可能。同センター(電095.844.2961)。

© 株式会社長崎新聞社