〝上級国民〟に危機感なし!どうして国会議員はクラブに出かけるのか

即入院できた自民党の石原伸晃元幹事長

国会議員に危機感がなさすぎる! 緊急事態宣言が発令されているにもかかわらず、与党議員が立て続けにクラブ通いをしていたことに、批判が殺到している。菅義偉首相(72)は27日、国会で「このような事態が発生し大変申し訳ない」と力なくうなだれた。国会議員でも新型コロナウイルスの感染者は出ており、死者もいる。にもかかわらず、このユルさは、やはり〝上級国民〟のおごりなのか!?

「国民の皆さんに不要不急の外出の自粛をお願いするなかにあって、このような飲食をしたことについて正直申し訳ないと思います」

菅首相は27日、国会質疑の中で覇気のない声で与党議員2人のクラブ通いについて謝罪した。

デイリー新潮によると、自民党の松本純元国家公安委員長(70)は18日夜、イタ飯と東京・銀座のクラブをハシゴ。また文春オンラインでは、公明党の遠山清彦幹事長代理(51)が22日、やはり銀座のクラブに通っていたことが発覚した。どちらも緊急事態宣言発令中で、午後8時以降のことだった。

立憲民主党の蓮舫参院議員(53)は、険しい目つきをしながら菅首相を攻め立てた。

「SNSで国会議員は『上級国民』と拡散されている。えらい迷惑ですよ、私たちは。これは総理として怒るところじゃないですか」とふがいない与党議員たちに喝を入れるべきだと訴えた。しかし、菅首相は「党でそのようなことは慎むようにと決めているので、党で対応してもらう」と力なく答えるのみ。

すかさず蓮舫氏が「慎まなかったからこういう事態になった」と冷静に指摘したが、菅首相から2人への苦言は出なかった。

党に任せるといっても対応するのは二階俊博幹事長(81)。二階氏は昨年12月にステーキ会食を行って批判を受けたが、当時、テレビ番組で「会食を目的にやっていない。意見交換を考えてやっている」と反論していた。人のことを言える立場ではないだろう。

コロナ禍にもかかわらず、なぜ国会議員はクラブへ行くのか。ある国会議員秘書はこう言う。

「どうして政治家が飲食をやめないかって? それは自分たちに何かあったらすぐに検査を受けられて、治療も受けられると思っているからですよ。だから私たちなんかとは危機感が違います」

実際に自民党の石原伸晃元幹事長(63)は、コロナに感染して無症状だったのにもかかわらず即入院できた。不整脈の既往症があるとのことだが、既往症とは以前かかっていたが、今は治っている病気のことを指す。

東京都では1月、糖尿病の基礎疾患がある80代男性がコロナに感染したものの入院先が調整できず、自宅療養中に亡くなった。石原氏には「上級国民」と批判が殺到したが、亡くなった80代男性との〝処遇〟の差を思うと出るべくして出た批判といえる。

昨年亡くなった立憲民主党の羽田雄一郎参院議員はコロナに感染しており、国会議員といえども安心はできない。しかし国会議員は、コロナ禍でも行動を変えない人が多いという。

「コロナ禍でもあるベテラン議員の事務所は出勤人数が多かったんです。議員がベテランだから秘書もベテランなんですが、怒りっぽいのか、耳が遠いのか、しょっちゅう事務所で口論するんですよ。『1人感染したらみんな危険だよ』って心の中で思ってます」(別の議員秘書)

国会議員はコロナに感染して仕事ができなくなっても収入は減らない。

脳科学者の茂木健一郎氏は25日、ツイッターで「永田町の方々はコロナになっても実入りが減るわけじゃないですもんね」とつぶやいていたほどだ。

入院調整中の人をごぼう抜きして入院できるし、歳費も減らない。危機感なんてないのも当たり前なのか?

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