核禁発効祝い折り鶴オブジェ 長崎の奥村さん制作 「条約は命と自然を守る大切なルール」

条約発効を祝福し、奥村さんが作ったオブジェ=長崎市平野町、長崎原爆資料館

 核兵器禁止条約が22日に発効。これを記念し23日に長崎市の長崎原爆資料館で開かれたイベントで、子どもたちに戦争時の体験を語っている同市の保育士、奥村八重子さん(81)は、平和をテーマに布や植物、折り鶴を使ったオブジェを披露した。
 東京、広島、長崎をオンラインで結んだイベント。長崎会場は「ヒバクシャ国際署名」に取り組んできた県民の会が主催。オブジェは田上富久市長とジャパネットたかた創業者の高田明さんが対談したステージを彩った。
 奥村さんはフラワーアレンジメントが趣味。青い布と植物で地球を表現し、条約を批准した国・地域の数にちなんで約50羽の折り鶴を配置した。少し離れた位置に飾った1羽は日本など批准していない国をイメージ。「早くみんな仲間入りできたら」と願いを込めた。
 長崎に原爆が投下された日は、奥村さんの6歳の誕生日だった。自宅近くの諫早国民学校にはけが人が次々と運び込まれ、炊き出しの支援をした母親の近くで水を運ぶのを手伝ったという。
 日本などが条約に参加していない現状に「残念」とぽつり。「(条約は)命と自然を守る大切なルール」と語った。

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