「永田町の遠山の金さん&マツジュン」に引導渡したスーパークレイジー君

議員辞職届を提出した遠山氏(左)と自民から離党した松本純氏

銀座クラブ通いがバレた国会議員が、辞職や離党の詰め腹を切らされるまでの騒動に発展した。〝責任ドミノ〟の口火となった公明党の遠山清彦衆院議員(51)に議員辞職の引導を結果的に渡したのは、埼玉・戸田市議選に当選したスーパークレイジー君(34)だというのだ。

2月最初の国会は慌ただしい1日となった。緊急事態宣言下で銀座のクラブ通いがバレたうえに一昨年、秘書がキャバクラ代を資金管理団体から支出していたことが問題視された〝永田町の遠山の金さん〟こと遠山氏が議員辞職届を提出。次期衆院選で内定していた神奈川6区からの不出馬だけでなく、同党は候補擁立すらも見送る方針を固めた。

さらに自民党内では同じく緊急事態宣言下で、銀座クラブをハシゴしていた〝永田町のマツジュン〟こと松本純衆院議員(70)だけでなく、大塚高司衆院議員(56)と田野瀬太道文科副大臣(46)の2議員も同席していたことが判明。虚偽説明に菅義偉首相(73)は激高し、3人は離党を余儀なくされた。

自民党関係者は「遠山氏は議員辞職というある種、最も重い処分を事実上、党側から突き付けられたのでしょう。驚きましたが、松本氏もクラブに同席していた議員の存在を隠していたのがバレた。公明党の議員辞職まではいかないまでも離党勧告で足並みを揃えた形です」と明かす。

それにしても公明党は遠山氏に役職辞任で責任を取らせていたのに、なぜ議員辞職までに発展したのか?

永田町関係者は「支持母体の創価学会婦人部の怒りが収まらなかったことに尽きる。特に31日投開票された地方選で、推薦した千代田区長選の候補は落選し、北九州市議選は議席確保したものの票を落とした。埼玉の戸田市議選に至っては、候補が落選してしまった」と指摘する。

戸田市議選では定数26に対し、36人が立候補し、歌手のスーパークレイジー君が25番目で当選し、公明党の三浦伸雄氏(38)が押し出される形で27番目で落選。その差は25票だった。

ネット上では「クレイジー君が公明党に勝っちゃった奇跡」「公明党は選挙に出すからには必勝シフトを敷くのに結束力にヒビが出た証拠」「婦人部が激おこでしょ」と公明党候補の落選劇が盛り上がっていた。

公明党は今秋までに行われる衆院選はもちろん、7月の都議選は1票の取りこぼしも許されない選挙となる。自民党も支持率低下に危機感を募らせる中で、両党は厳重処分で、事態の収拾を図った構えだ。

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