GoTo停止延長 「やむを得ない」「苦しい」 長崎県内 諦めと困惑

「GoToトラベル」の停止で人出が減った「長崎ロープウェイ」。収束後の観光客増を期待する=長崎市淵町

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」の停止の再延長が2日決まった。「やむを得ない」「資金繰りが苦しい」。人の往来が減った観光地で耐える関係者の間には、諦めと困惑が交錯した。新型コロナウイルスの収束の見通しは立たず“春”は遠い。
 長崎県雲仙市の雲仙温泉街では、GoToの停止期間とされていた7日まで休館予定の旅館・ホテルが多い。さらに、営業を継続している施設も実質的には休館状態。数組の宿泊では経営が難しいため、客に日程を変えてもらったり別の宿泊施設を紹介したりしてしのいでいる。
 雲仙いわき旅館の石動義高専務は「GoToによる収入増を見込んで施設改修をしているので、資金繰りが苦しくなっている。福岡県の緊急事態宣言が解除されないと雲仙への誘客は厳しい」。
 長崎市の稲佐山山頂と市街地を結ぶ「長崎ロープウェイ」は、利用者の大半が観光客。GoTo効果で一時、前年の70%近くまで持ち直したが、昨年12月に一斉停止されると、1月の利用者は前年同期の12%まで落ちた。夜景都市としての認知度の高まりもあり近年、19~20万人台で推移した年間利用者は本年度、4万9千人まで落ち込む見通しだ。
 運営する「長崎ロープウェイ・水族館」の池田尚己理事長はGoTo停止がさらに延びることに「やむを得ない」とし「今は辛抱の時。GoToを再開できる環境になり、日本一の夜景をたくさんの人に見てほしい」。再延長期間が明けるとみられる春休み以降での挽回に期待する。
 長崎県佐世保市のハウステンボスも「政府の方針に従うしかない」。GoToの停止で来場者数は減少。営業時間を短縮するなど厳しい状況が続くが担当者は「それでも来てくださるお客さまのために、より一層防疫態勢を整えていきたい」と話す。


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