国民に“五輪アレルギー”が!? 30年札幌招致に飛び火も

札幌市内

【どうなる?東京五輪・パラリンピック(47) 新型コロナウイルス禍で来夏に延期となった東京五輪の開催について今後が見通せない中で、思わぬ方向に“飛び火”する可能性が出ている。

1年スライドした本番に向けて、国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会は従来の運営計画を踏襲して再び準備に着手。このままいけばマラソン・競歩は札幌で実施される予定だが、札幌市オリンピック・パラリンピック担当課の奥木貴史氏は「大きな動きはない状況で、今は組織委員会などが大会全体の調整をされているのではないでしょうか」と会場に関するやりとりはないという。

当初のサッカーにマラソンと競歩が加わり、ボランティアの増員を検討していた。ところが、募集直前に延期が決まったことで断念した。「新たに1000人のご協力を予定していましたが、また競技日程が決まってからスケジュールを立てることになります。仕切り直しですね」

一方、札幌市は2030年の冬季五輪招致を目指している。別の地元関係者は「もちろん(冬季五輪に)手を挙げているけど、まずは延期になった五輪をどう成功させるかというのが一番大きなこと」とした上で「こちら(東京五輪)を全力で準備して、そのときに多くの方々が五輪というものについて盛り上がっていければ、またいろんなことにつながっていくと思う」と前を向いた。

ただ、準備段階で延期に伴う膨大な追加費用が発覚。コロナ禍での景気後退も追い打ちとなり、国民は“五輪アレルギー”に陥りつつある。

IOCのジョン・コーツ調整委員長(70)は五輪実施を判断する重要な時期を10月としたが、仮に開催不可能…となれば札幌招致にも影響する「2030年問題」に発展しかねない。

東京から札幌へ。10年後に“バトンタッチ”できるのだろうか。

© 株式会社東京スポーツ新聞社