無人重機の操作を体験 除石工事現場で小学生ら 普賢岳・砂防施設

重機を遠隔操作する子どもら=南島原市深江町、赤松谷川周辺

 雲仙・普賢岳噴火災害の砂防事業から生まれ、東日本大震災被災地でも活用された無人化施工技術などを子どもたちに学んでもらう現場体験学習会が6日、長崎県南島原市深江町であり、島原市内の小学生らが最先端の技術に触れた。
 若手技術者の不足に悩む建設業界に興味を持ってもらおうと、普賢岳噴火災害を受けて整備された砂防施設の土石除去工事を地場単独で請け負っている吉川組(島原市)が初めて開いた。国土交通省雲仙復興事務所などが後援。親子連れ約40人が参加した。
 普賢岳噴火活動で形成された溶岩ドームの頂上部から約3キロ下方に位置する赤松谷川の工事現場そばで実施。無人化施工は重機を遠隔地から無線操作することで、作業員の安全を確保する。子どもたちは、噴火災害で設定された警戒区域内の測量に使用している小型無人機ドローンを操縦したり、遠隔操作で動く運搬車に乗ったりした。現場から約500メートル離れた操作室では、設計データを基に自動で掘削量を制御できるショベルカーなどを実際に操作した。
 市立三会小4年の林田朋樹君(10)は「ドローンも初めて操縦できた。町を守る砂防ダムを造ったりできる無人の機械を使う工事は面白い」と話した。

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