長崎市抗議文に返書 駐日大使「政権へ懸念伝達」 米核実験

 長崎市は8日、米国が昨年11月に実施した臨界前核実験を受けて在日米国大使館に送付した抗議文への返書が、米国のヤング駐日臨時代理大使から届いたと発表した。返書には「(長崎市の)懸念をバイデン政権に伝達した」と記され、核実験の是非についての言及はなかった。
 田上富久市長と井上重久市議会議長は1月17日、連名でトランプ大統領(当時)とヤング大使に宛てた文書を送付。核実験に「被爆地は猛烈な憤りを感じている」として「今後、一切の核実験の中止を求める」などと訴えていた。
 市によると、核実験の抗議文に対する返書が届くのは、オバマ政権だった2014年以来。8日に郵送で届いた。大使は「書簡を送付いただき心よりお礼申し上げる」とし、バイデン政権に伝えたと記していた。市平和推進課は「バイデン政権に被爆地の訴えを真摯(しんし)に受けとめてほしい。今後も、長崎市の使命として核廃絶を訴え続ける」としている。

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