神奈川中央交通(平塚市)は9日、横浜市栄区内で、中型路線バスの自動運転の実証実験を始めた。3月5日までの期間中、同区の桂台、庄戸、野七里の3地区、半径約1キロを結ぶ経路で実施する。同社による公道での実証実験は2回目で、今回は実用化を意識し、同区で高齢化が進んでいるエリアで行った。
バスは、走行路線に設置した磁気マーカーなどで位置を確認するほか、新たに設置した信号の情報発信機や障害物を認識するセンサーの情報を基に走った。
この日は、緊急時に備え、運転士がハンドルに手を添えながら時速約30キロで走行。路上駐車など現状の自動運転技術で対応できない場面があると、手動に切り替えて運転した。同乗した担当者は改善点を書き留めていた。
同社は将来的に同地域での実用化を目指しており、運輸計画部の小川正人課長は「住民も運転手も高齢化が深刻。課題を洗い出し、精度を上げていきたい」と話した。