虎ドラ1・佐藤輝が他球団の「お手本」!? 清宮ら伸び悩む同世代の〝刺激〟となるか

ブルペンで球筋を見る阪神・佐藤輝

噂のルーキーが早くも他球団の「お手本」教材に――。阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21=近大)の〝評判〟が、他チームにも本格進出しつつある。

対外試合デビューとなった9日の日本ハムとの練習試合(宜野座)で〝プロ1号〟を含む、3安打3打点の鮮烈デビューを飾ったことを受けてのもので、佐藤輝の存在が、同世代で伸び悩む若手選手たちへの〝刺激材料〟になるという。

9日の試合で佐藤輝の躍動を見た日本ハム関係者は「いいものを見させていただきました。清宮に『休んでいる場合(右手の張りで欠場)じゃないよ』って言っておかないと」。日本ハムなら今季4年目を迎えた左の大砲候補・清宮幸太郎が同じ1999年生まれ。佐藤輝が3月、清宮が5月と学年こそ違うが、生年月日は2か月しか変わらない。

99年生まれには、ロッテ・安田尚憲や広島・中村奨成など、かつて甲子園を沸かせたスターも多いが、同世代で覚醒したのは00年2月生まれのヤクルト・村上宗隆ぐらい。そんなこともあり「このままなら、抜かれるよ」と佐藤輝の躍動は他球団からしても、自軍の伸び悩む若手に奮起を促す格好のネタになると踏んでいるのだ。

前出の日本ハム関係者は「清宮は打ってナンボの選手かもしれませんが、佐藤輝は打つだけじゃなく、脚力や地肩もあり、すべてで一流になるポテンシャルを秘めている。だからこそ(同世代の)高卒入団組で、まだ一軍定着できていない子たちにはとくに言いやすい。その子たちは言うなれば、まだ自分の特長やウリでプロで稼ぐまでに至っていないわけですから」。

別の球界関係者も「同世代の高卒入団組には佐藤輝は、当然、負けられない存在だと思う。そんな世代間での競争原理の高まりのおかげで『松坂世代』のように、結果的に数年後、この年代の選手たちが球界内で多くレギュラーを取っていることだってある」と、他球団への波及効果を口にする。

無名の高校時代を経て大学で急成長し、プロ初キャンプでも走攻守でアマナンバーワン野手の片りんを披露している佐藤輝には、早くも世代の〝旗振り役〟としての期待が膨らんでいるようだ。

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