新年度は対馬市直営へ 温浴施設「湯多里ランド」

 長崎県対馬市は15日、本年度末でプール・温浴複合施設「湯多里(ゆったり)ランドつしま」(同市美津島町)の指定管理期間が終了することに伴い、新年度は市直営とする方針を市議会全員協議会で明らかにした。プールは現在の指定管理者に約4600万円の随意契約で1年間の運営を委託し、老朽化した温浴施設については、同市が改修した上でプールと併せて2022年度から5年間の指定管理者を新年度中に募りたいとしている。
 同施設は旧美津島町が建設し、03年開業。合併で翌年発足した同市が施設を引き継ぎ、現指定管理者の「対馬ビルサービス」(同町)は11年度からプールや温浴施設などを運営してきた。
 近年の温浴施設の利用者は年間延べ約4万9千人、プールで同約2万5千人。しかし、本年度は配管漏水などのため入浴を全面休止。プール利用者も新型コロナ禍で休止期間があり半減した。同市は新年度からの指定管理者を公募したが、応募者が少なく適格者の選定に至らなかった。
 全員協議会で、市側は「プールは幼児から大人まで利用会員がおり、市民のニーズがある」などとして、運営委託料を新年度一般会計予算案に計上する方針を示した。入札を経ず随意契約とする理由については「10年間の管理運営実績があり、4月1日から(プール)施設を休業させずに事業を継続させることができるため」と説明した。

© 株式会社長崎新聞社