県コロナ対策406億円 新年度予算案 一般会計7486億円 17年ぶりの規模

2021年度県当初予算案

 長崎県は16日、2021年度当初予算案を発表した。一般会計総額は7486億円で、20年度当初比226億円(3.1%)増。新型コロナウイルスの感染防止対策や関連する経済対策として406億円を計上し、当初予算としては04年度以来17年ぶりの7500億円規模となった。24日開会予定の定例県議会に提出する。
 新型コロナ関連は109事業で、感染拡大防止や社会経済活動の回復・拡大を促進する。中村法道知事は16日の会見で、「まさに新型コロナと向き合い、乗り越えていくための予算。積極的に必要な予算を計上した」と強調した。
 感染症指定医療機関を県央地区に新たに2カ所確保する施設整備費として1億1400万円を計上。病床や宿泊療養施設の確保、検査や相談体制の充実などにも継続して取り組む。新型コロナ収束後を見据えた対策では航空機・ロボット関連など成長分野に進出する製造業者を手厚く支援。中小企業などのデジタルトランスフォーメーション(DX)促進に注力する。
 新年度は県政運営の指針となる5カ年の新総合計画がスタート。感染症対策や産業振興などに加え、人口減少対策や、先端技術を活用して課題解決と経済発展を両立する社会「ソサエティー5.0」も推進する。移住促進のため情報発信や受け入れ態勢を充実。防災・減災対策も強化し、道路や河川整備などに20年度当初比31億円(59.6%)増の82億円を組み込んだ。
 歳入は、20年度当初比227億円(3.2%)増の7345億円。新型コロナの影響で県税90億円、地方譲与税90億円の計180億円減少する一方、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税は、20年度当初比191億円(7.9%)増の2601億円と見込む。財源不足による基金の取り崩しは、20年度と同規模の141億円。
 県民1人当たりの県債残高(臨時財政対策債除く)は20年度より3万2千円増え64万3千円。コロナ禍で財政改善が見込めないとして、15年度から続く知事ら特別職や管理職の給与減額を1年間延長する。
 国の国土強靱(きょうじん)化対策に対応する公共事業費415億8千万円や、飲食店の時短営業などの影響を受けた関連事業者に20万円を支給する経費16億円など総額600億5千万円の経済対策を追加する本年度一般会計補正予算案も当初予算案と一体的に編成した。


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