横浜高島屋で東北物産展 被災中小企業の販路支援 京急百貨店も11日からフェア

横浜高島屋で始まった東北を支援する物産展「みちのく いいもん うまいもん」の会場=横浜市西区

 東日本大震災の発生から10年の節目を迎えるのに合わせ、横浜高島屋(横浜市西区)で3日、被災した東北の中小企業や小規模事業者の販路開拓を支援することを目的とした物産展「みちのく いいもん うまいもん」が始まった。福島県いわき市の郷土料理「うに貝焼き」が入った海鮮弁当や、宮城県石巻市で震災後に開発された新名物「牛タンつくね」を販売する。独立行政法人中小企業基盤整備機構の主催で8日まで。

 会場には岩手、宮城、福島の3県で被災した37店が並ぶ。震災から10年が経過する今も復興途上である東北のことを知り、応援してもらう狙いがある。

 カキ専門店「かき松島こうは」(宮城県)は、津波で1店舗が全壊するなどの被害を受けた。営業を再開したものの、震災以降観光客が減った影響で収益が下がっているといい、オーナーの櫻井敏晶さん(57)は「宮城のカキの魅力を知り、被災地に遊びにきてほしい」と話した。

 会場では、横浜市出身の写真家村山嘉昭さん(49)が2011年の震災直後から毎年撮り続けてきた被災地の桜をテーマにした写真パネルも展示されている。村山さんは「写真に写った人たちが桜を見てどのような気持ちでいるのか、想像してほしい」と話した。

 県内の百貨店では他にも東北を応援する取り組みがあり、京急百貨店(横浜市港南区)で11~17日、東北6県の食品や工芸品を取り扱う35店が出店する「大東北フェア」が開かれる。

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