日本中央競馬会(JRA)の調教助手などが、新型コロナウイルス対策の国の持続化給付金を不正受給した疑いがある問題で、JRAは6日、すべての調教師、騎手、厩舎従業員を対象にした調査結果を発表した。
全2748人のうち、165人が給付金を申請・受給し、その総額が1億8983万9222円に上ることが判明。165人のうち163人がすでに返還済み、または返還手続き中だ。
返還未手続の2人のうち、1人は競馬以外の副業収入を理由とした受給で、もう1人は病気休職中。引き続き適切な取り扱いとなるよう対応していると説明した。
165人の内訳は、調教師=19人、騎手=13人、厩舎従業員のうち調教助手=112人、厩務員=21人だった。
今回の問題が持ち上がった原因として、中山競馬場で会見したJRAの吉田正義常務理事は「持続化給付金制度の趣旨、目的を理解していなかったこと。税理士等の勧誘があったこと。社会的な問題となるリスクへの認識の甘さがあったこと」などを上げた。今回104件の受給申請をサポートした“指南役”とされる大阪の税理士に対しては、今後面談を考えていることを明らかにした。
後藤正幸JRA理事長「このたび、中央競馬の厩舎関係者が、持続化給付金制度の趣旨、目的を十分に踏まえず、給付金の申請および受給をしていたことが判明しました。これは、あってはならないことであり、中央競馬の信頼にかかわる問題となったことにつきまして、お客様ならびに社会の皆様に心よりお詫び申し上げます。JRAといたしましては、再びこのようなことを起こさないよう再発防止に取り組み、お客様をはじめ社会全般からの信頼確保に努めてまいります」