本物のよう 「深堀隆介展『金魚鉢、地球鉢』」開幕

金魚すくいの屋台を表現したインスタレーションなどが並ぶ「深堀隆介展」=長崎市、県美術館

 本物のような金魚を描く現代美術家、深堀隆介さん(48)の作品展「深堀隆介展『金魚鉢、地球鉢』」(長崎新聞社、県美術館主催、西日本シティ銀行・長崎銀行特別協賛)が12日、長崎市出島町の県美術館県民ギャラリーで開幕する。11日、開場式と内覧会があり、升や椀(わん)などに表現した金魚作品計約300点が公開された。
 深堀さんは、器の中に透明樹脂を少しずつ流し込みながら何層にもわたって描画し、立体的な金魚を浮かび上がらせる技法を編み出した作家。愛知県出身だが、大伯父が「長崎の鐘」で知られる被爆医師の故・永井隆博士で、本県にゆかりがある。
 同展では、新作インスタレーションなどを初公開。東日本大震災の津波で亡くなった福島県の児童の遺品に、鎮魂の願いを込めて金魚を描いた作品の制作ドキュメント映像などもある。
 開場式で、主催者を代表し徳永英彦長崎新聞社社長が「心休まるひとときをすごしてほしい」とあいさつ。深堀さんは取材に「新しい表現の作品もある。楽しんでほしい」と話した。
 同展は4月18日まで(3月22日、4月12日休館)。

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