旧国鉄時代の車両「185系」が12日、定期運行の最終日を迎えた。東京と伊豆を結ぶ特急「踊り子」や「必ず着席が可能な通勤電車」として親しまれてきた「湘南ライナー」など、県内では東海道線を中心に活躍。鉄道ファンや通勤客からは引退を惜しむ声が聞かれた。
同日午前7時ごろ、藤沢駅に「湘南ライナー」が到着。午前4時に起きて東京都内から撮影に来たという中学2年の男子生徒(14)は「昭和の雰囲気が漂う車両が見られなくなるのは寂しい」と話した。
185系は1981年に登場。特急形車両だが、通勤や通学にも使えるよう設計されているのが特徴で、「湘南ライナー」は86年に運行が始まった。藤沢市の男性会社員(54)は「特に疲れた仕事帰りは、電車に座れることで安らげて助かった」と振り返った。
185系の引退に伴い、JR東日本は15日から、東京―小田原間で新たな特急「湘南」を走らせる。