メクル第531号 西部ガス詩作コンクール最優秀 廣川唯月くん 色の変化ユニークに表現

赤いピーマンを見つけた時のことを振り返る廣川君(左)と母の万里子さん=佐世保市花園町、九州文化学園小中

 学校で収穫(しゅうかく)した緑色のピーマンが、しばらくすると赤色に変身していた!! そんな出来事を「ピーマンがおこった」と表現(ひょうげん)した廣川唯月(ひろかわいつき)君(8)=佐世保(させぼ)・九州文化学園小2年=の詩が、西部ガス主催(しゅさい)の詩作コンクール「地球のことば 子どものつぶやき」で最優秀(さいゆうしゅう)賞に選ばれました。みずみずしい感性(かんせい)を持つ廣川君に、作品の背景(はいけい)を聞きました。

 廣川君はおかずにピーマンが入っていると、そっとよけます。理由は「ピーマンのにおいと、ちょっと苦いところが苦手」だから。しかし、学校の授業(じゅぎょう)で育てたピーマンは、クラスメートと順番で持ち帰ることになっていました。仕方なく、少しほっそりとしたピーマン1個(こ)を持ち帰ったのは夏休み直前。母の万里子(まりこ)さんに見つかると、ピーマンが食事に出されてしまう。そこで、休み中は使わないランドセルに入れたまま、隠(かく)しておこうと思いつきました。
 2~3週間後、ついにお母さんにピーマンを発見され、「わあっ!」とびっくりされました。「ガーン! 見つからないと思っていたのに…」。しかも、緑色だったピーマンは、熟(じゅく)して真っ赤になっていたのです。2人で笑い合いながら、こんなやりとりをしたそうです。

廣川君が描いた“おこったピーマン”の想像図

 母「照れて赤くなってるのかな? それとも、早く食べてほしくて怒(おこ)っているのかな? どっちだろう」
 廣川君「暑いから、ここから早く出して! って怒ってるんじゃないかな」
 お風呂(ふろ)上がりは自分の顔や体が赤くなることから、ピーマンもきっと暑いんだと思ったのだそうです。廣川君は赤くなったピーマンを、学習用のタブレットで撮影(さつえい)していました。「怒ったピーマンは、きっとこんな顔」。撮影した画像(がぞう)に、つり上がった太いまゆ毛と大きく開いた口を書き足し、見せてくれました。
 赤くなったピーマンは、細切りにした肉などと炒(いた)めた中華(ちゅうか)料理「チンジャオロース」になって、お弁当のおかずにして食べました。緑色のピーマンと違(ちが)い、「少し甘(あま)みがあって、食感も違っておいしく食べられた」と笑顔を見せました。

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