2.5D「新しい絵画の領域」 深堀隆介さん講演会 美術ファンら聴講

作品に込めた思いを語る深堀さん=県美術館

 升や椀(わん)といった器などに透明樹脂を何層も重ねながら立体的な金魚を描く現代美術家、深堀隆介さん(48)の講演会が13日、長崎市出島町の県美術館であり、独自で編み出した技法などについて語った。
 同館で開催中の展覧会「深堀隆介展『金魚鉢、地球鉢』」(長崎新聞社、県美術館主催、西日本シティ銀行・長崎銀行特別協賛、4月18日まで)の関連イベント。美術ファンら約50人が聴講した。
 深堀さんは、20代半ばで創作に行き詰まり、制作活動を辞めようとしたときに金魚の魅力に気付き、試行錯誤しながらリアルな作品を描くようになったと明かした。現在の作品に取り入れている独自の技法「2.5Dペインティング(積層画法)」について、透明樹脂に描いたアクリル絵の具の上に再び透明樹脂を流し込むため、キャンバスなど平面の支持体に絵の具を塗る絵画とは異なると言及。「(自身の表現は)新しい絵画の領域。さらに新しい表現を追求していきたい」と話した。


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