神奈川・綾瀬の小5女児、小児用ウィッグに髪の毛提供 40センチをばっさり「笑顔になってもらえたら」

ヘアドネーションに協力して5年ほど伸ばした髪を切ったグエン・カズミさん。カットした髪の束を手に「長さや量に驚いた」

 病気や事故の影響で頭髪を失った子どもたちの医療用ウィッグ(かつら)作りに役立ててもらおうと、綾瀬市に住むベトナム人の小学5年生、グエン・カズミさん(11)が5年ほど伸ばしていた髪を切った。「困っている人たちに何ができるかを考えた。自分の髪が役立ち、笑顔になる人がいればうれしい」。小児用ウィッグの提供に取り組むNPO法人を通じて活用される予定だ。

 カズミさんがヘアドネーションを知ったのは2年前。人気ユーチューバーがヘアドネーションに協力している動画を見たのがきっかけだった。

 小学校に入学したころから髪を伸ばしていた。「自分の髪も役に立つかもしれない。いい機会だと思った」

 日頃から美しい髪を心掛け、ケアを怠らなかった。ヘアドネーションに協力することを誓ってから一層、意識が高まった。きれいで丈夫な髪を届けるため、毎回のシャンプーやトリートメントは念入りに、乾かす際も十分に時間をかけた。

 伸ばし続けた髪は腰の辺りまで届き、最長で75センチほどに。汗をかく夏場は特に苦労したというが、「ヘアドネーションのためには我慢が必要」と初心を貫いた。

 そうして迎えた14日、自宅で母親のキムミンさん(45)に40センチほどカットしてもらった。

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