『発泡スチロール彫刻』大浦天主堂を再現 ホテルニュータンダ 宮本シェフ

発泡スチロールで制作された大浦天主堂

 幕末の禁教令下に浦上の潜伏キリシタンが大浦天主堂を訪ね、フランス人宣教師に信仰を告白した「信徒発見」から17日で156年を迎えた。この歴史的な出来事に合わせ、長崎県長崎市常盤町のホテルニュータンダのシェフ、宮本昭彦さん(64)が、発泡スチロールを用いて「奇跡」の舞台である大浦天主堂を再現した。

ナイフ1本で作品を完成させた宮本シェフ=長崎市、ホテルニュータンダ

 宮本さんはかつて氷彫刻をしており、20年ほど前からは発泡スチロール彫刻にも挑戦。昨年6月には「居留地シリーズ」として「旧長崎英国領事館」を制作した。大浦天主堂は第2弾で、同7月下旬から取り掛かった。写真と現地視察を基に建物の高さや幅などの比率を計算。半年ほど掛け、高さ84センチ、幅90センチ、奥行き1メートル20センチの大作(約120分の1サイズ)を完成させた。
 材料は倉庫に眠っていた防音用の発泡スチロール(厚さ5センチ)で、道具はナイフ1本。特にステンドグラス部分にこだわり、1枚ごとに異なる模様はできる限り再現した。

作品のモデルとなった大浦天主堂(2018年撮影)

 光が透けるように発泡スチロールは5ミリ程度に。4色のセロハンを内側に貼り付け、中に設置したライトで照らし、鮮やかな色を浮かび上がらせた。
 今回は過去最大の作品。「いいものが出来上がった。たくさんの人に見てもらいたい」と話した。
 作品は17日からホテル1階のレストラン内に展示。レストランは新型コロナウイルスの影響で休業中だが、作品のお披露目を兼ね、20、21日両日はランチ時間(午前11時半~午後2時半ラストオーダー)に営業する。問い合わせは同ホテル(電095.827.6121)

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