【IR考】住民投票否決、なのになぜ同じ質問ばかり 横浜・林市長気色ばむ

横浜市会の林文子市長(資料写真)

 議会で議決されたのに、なぜ同じ質問を繰り返すのか─。横浜市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を巡り、19日の市会予算第一・第二特別委員会連合審査会(総合審査)で、荻原隆宏氏(立憲・無所属フォーラム)の質問に対し、林文子市長が気色ばむ一幕があった。

 荻原氏は、市民団体が直接請求したIR誘致の賛否を問う住民投票条例案に、林市長が「意義を見いだしがたい」などと否定的な意見を付けて1月の市会臨時会に提出したことを批判。林市長は昨年10月の定例会見で、仮に住民投票が行われ反対多数となった場合は誘致を撤回する見解を示していたことから、発言との整合性をただした。

 林市長は条例案については議会で否決されたとした上で、「なぜ二元代表制で決まったのにずっと繰り返し同じ質問がされるのか」「何のためにここ(議会)で議論しているか理解できない」などと声を荒らげ、平原敏英副市長が当時の市長発言について「条例が可決されれば、という一般論だった」と答弁する場面もあった。

© 株式会社神奈川新聞社