首都圏1都3県で新型コロナウイルス緊急事態宣言が全面解除され初の夜を迎えた22日、神奈川県内の繁華街は夜間営業を再開した飲食店が目立つ一方、かつてのにぎわいにはほど遠い光景が広がった。
営業時間短縮要請の緩和に期待する声はあるが、2カ月半にわたる“我慢の反動”は限定的で、戻らぬ客足にため息も。ただ百貨店などは多くの買い物客で混雑する時間帯もあり、「緩み」を警戒して感染対策を再徹底する動きもみられた。
◆横浜・野毛
県内屈指の飲み屋街として知られる横浜・野毛。人気店では「一度来てみたかった」(20代男子大学生)と話す若者客らが目立ったが、仕事帰りの会社員ら中高年の姿はまばらだった。
営業時間を午後9時までに1時間延ばした沖縄居酒屋を訪れた男性会社員(46)は、「テレワーク続きで、外食しないと気持ちがふさぎこんでしまう」とうれしそうにグラスを傾けた。男性店主(56)は「人出は若干増えたけど年配客は減ったまま。繰り返し来てくれるお客さんに支えられている」。
宣言解除で2カ月半ぶりに開店した焼き鳥店を夫と切り盛りする80代女性は「手持ちのお金がなくなり、店を開けざるを得なかった」。「年寄りには難しい」と給付金申請も断念したといい、表情を曇らせた。