【センバツ】広島新庄が初戦突破で46連勝無敗 エース兼4番・花田が延長12回V打「緊張なく楽しんで」

延長12回にサヨナラV打を放ったエース兼4番・花田

聖地でも不敗神話は崩れなかった。広島新庄(広島)が「第93回選抜高校野球大会」(甲子園)4日目の23日、第3試合で上田西(長野)を相手に延長12回の激闘の末、1―0でサヨナラ勝ちを収めた。

重い扉をこじ開けたのは、エースで4番の花田侑樹(3年)だった。両軍スコアレスで迎えた延長12回二死一塁。それまで打線が散発6安打と打ちあぐねていた相手先発左腕・山口(3年)から甘く入ったスライダーを振り抜き、決勝となる右越えの適時二塁打を放って劇的な形で2時間25分の投手戦に決着をつけた。

試合後は「これまでの打席でチャンスでも凡退していたので、ここで打ってチームを勝ちに導ければと思った。ちょっと詰まっていたが、いい感じでいってくれたと思う」と安どの表情を見せた。

先発マウンドでも躍動した。8回途中まで6安打無失点と好投。この日は初回から自己最速となる144キロを計時するなどキレの良さが際立った直球を主軸にカットボールなどの変化球も要所で組み込み、俊足好打の相手打線に本塁を踏ませなかった。自身の投球についても「憧れの背番号(1番)で憧れの舞台。緊張することなく楽しんで投げた」と満足げに振り返った。

バトンを引き継いだ2番手左腕・秋山恭平(3年)も好リリーフを見せ、完封リレーを達成。エースは「秋山が粘って投げてくれていたので、自分たちが決めて楽にさせたいという気持ちもあった」と言葉に力を込めた。

昨秋の中国大会で初優勝を果たし、春は2年連続で甲子園行きの切符をつかんだ。その聖地の舞台では初出場の2014年に続く初戦突破。これで今年のチームは練習試合も含め無敗の46連勝となり、その勢いは止まらない。

昨年4月に就任したばかりの宇多村聡監督(34)は「もちろん勝ち負けがあることなので、負けずに来ているのは自信になっている。いかに投手を中心に抑えるかという結果があらわれていると思う」と胸を張った。

27日の2回戦では智弁学園(奈良)と対戦する。無敗のまま頂点を目指す中国王者の戦いは今後もまだ続く。

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