新上五島町 補助金問題 九州商船側が控訴

 新上五島町が、長崎-上五島航路を運航する2社のうち五島産業汽船にのみ補助金を支出したのは違法だとして、競合する九州商船などが同町に補助金の返還などを求めた訴訟で、九州商船側は24日までに、請求を退けた長崎地裁判決を不服として福岡高裁に控訴した。
 判決は、五島産業汽船が運航する船の検査費を町が負担したのは補助金に当たると認定。その上で船の就航は町民の生活にとって必要不可欠だったとし、町の判断に「裁量権の逸脱や濫用があったとはいえない」とした。
 控訴について、九州商船側は「(補助金の支出は)憲法の平等原則に反すると主張してきたが、一審では十分に審理されず残念に思っている」とコメントした。同町の石田信明町長は「詳しい内容が分からないのでコメントは控える」としている。


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