阪神ドラ1佐藤輝は「お世辞抜きに本物」 鷹OB摂津正氏が感じ取る類稀な素質

阪神・佐藤輝明【写真:荒川祐史】

「オープン戦といえども、あれだけの数字を残せるのは凄いです」

3月26日に開幕を迎える2021年のプロ野球。コロナ禍で迎える新たなシーズンの到来にファンも気持ちを昂らせていることだろう。

さまざまな注目ポイントがあるであろう2021年のシーズン。その中でも大きな関心を集めるのが、阪神のドラフト1位ルーキー佐藤輝明内野手だろう。オープン戦では12球団最多となる6本塁打。驚異的な打棒を発揮した22歳はシーズンでどれだけの結果を残すのだろうか。

現役時代にソフトバンクで5年連続2桁勝利をマークするなど、輝かしい実績を残してきた摂津正氏も佐藤輝のポテンシャルの高さを認める1人だ。オープン戦での姿からも「シーズンでもやるんじゃないかと思います。オープン戦といえども、あれだけの数字を残せるのは凄いです」と、ペナントレースでも活躍できるのでは、と予想する。

その長打力に注目が集まる佐藤輝だが、摂津氏は「バットコントロールが良いですね。強振しているんですけど、バットコントロールも良くて対応できている。もちろんあの打球音からも分かるようにパワーも感じます」と言う。シーズンでは厳しく内角を攻められることが想定されるものの「最初は外しか打てないんじゃないか、という雰囲気もありましたが、オープン戦の最後には引っ張ってホームランにもしていた。オープン戦で徐々に対応してきているのかなという気がしています」とも分析した。

過去の経験からの裏話を交えつつ「こいつはすげえなと思わせる選手」

オープン戦は相手球団にとっては選手の特徴を把握したり、データを集める期間でもある。中にはオープン戦で打ちまくっても、シーズンに入るとサッパリ、という選手もいるが、現役時代に球界を代表する好投手だった摂津氏は「確かにオープン戦は試している部分はありますし、そういう風にも言われます。ですが、試されていたとしてもあの数字を残せるのは凄いですよ」と絶賛する。

また、摂津氏は自身の経験から、こう佐藤輝を評価する。「特に阪神の場合、地元・関西のメディアがドラフト1位の選手を煽てるところがありますよね。僕も現役の時に阪神サイドの報道陣の方たちに『どうでしたか?』と聞かれることが多くありました。正直、変なことは言えないので『良いバッターでした』と答えていましたが、お世辞ではないですけど、実際には『そこまでは……』と言うのがありました」と明かした上で「佐藤輝は、お世辞抜きに本当に本物、こいつはすげえなと思わせる選手です。詰まってもスタンドに入れそうな雰囲気がある」と認める。

そして、今季のセ・リーグについて「楽しみなのは阪神ですよね。佐藤くんが活躍したら面白いですし、優勝の可能性も十分にあると思います。ピッチャーもある程度揃っていますし、巨人に対抗できるとすれば、阪神じゃないかなと。昨年は巨人が独走しましたが、今年に関しては分からないんじゃないかと思います」と語り、阪神の16年ぶりリーグ優勝の可能性は十二分にあると予想していた。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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