「気持ちは伝わった」 山村さん 初挑戦の壁厚く 諫早市長選

支持者の前で敗戦の弁を述べる山村さん=28日午後10時12分、諫早市泉町の選挙事務所

 24年間勤めた国土交通省を潔く辞し、諫早市長を目指した山村健志(つよし)さん。「このような結果になり、本当に申し訳ない。私の力不足だった」-。落選の報を受け、泉町の選挙事務所で敗戦の弁を述べた。
 昨年3月末まで3年間、同省長崎河川国道事務所諫早出張所長を務めた。本明川を生かしたまちづくりや防災教育-。行政マンらしくない発想の転換力に引かれた市民たちが昨年春、立候補を要請した。
 同6月、同省を退職後、支援者たちと市の課題を洗い出し、「10年後、人口1万人増」の目標を設定した上で、子育て支援や都市計画など幅広く政策を練り上げた。知名度アップを目指し、毎朝のつじ立ちなどを粘り強く続けた。
 市民や学生ら支持層が徐々に広がり、勢いを増したが、初挑戦の壁は厚く、善戦も届かなかった。
 真っ黒に日焼けした顔の山村さんは「諫早を何とかしたいという気持ちは伝わったと思う」と語り、支援者の大きな拍手の中、深々と頭を下げた。


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