14歳で亡くなった北村さんの家族 献血へ協力呼び掛け

闘病中にドクターヘリに搭乗する賢司さん(家族提供)

 県赤十字血液センターは、悪性リンパ腫のため14歳で亡くなった北村賢司さん(小田原市)の家族が献血への協力を呼び掛ける動画を作成した。余命宣告後も笑顔を忘れずに生きる姿と、925日間の闘病中に経験した輸血の大切さを伝えている。

 小学6年だった2015年7月に悪性リンパ腫を発症した賢司さんは、18年3月11日に亡くなるまで120人分の血液で命をつないできた。入退院を繰り返し、余命2カ月と告げられた後も懸命に生きてきたという。

 動画は約9分で、同センターが闘病中に輸血経験がある患者や家族らの思いを伝える番組の第2弾として制作。母の千波さん(48)は「『元気になったら献血したい』と話していた息子の遺志を継ぎたい」と思いを込め、兄の太一さん(20)も「血液の代わりはなく、長期保存もできない」と継続的な支援を呼び掛けている。

 病気やけがで輸血を必要とする人に血液を届けるためには県内で1日900人分の血液が必要だが、コロナ禍で逼迫(ひっぱく)した状況が続いている。献血ルームなどの問い合わせは、同センター、電話045(834)4611。

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