白毛の牝馬ソダシのレコードVに敗れはしたが、牝馬1冠目の第81回桜花賞(11日=阪神芝外1600メートル)でクビ差2着。サトノレイナスもまた、上がり32秒9という異次元の末脚でその潜在能力の高さを存分にアピール。3歳牝馬の頂上決戦となる5・23オークスでの“3度目の対決”がいまから楽しみになってきた。
単オッズ3・3倍はソダシをしのぐ1番人気。GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズから同様に4か月の休養明け。ファンの後押しもあり、満を持してハナ差負けのリベンジに挑んだサトノレイナスだったが、最大の敵は一枚上手だった。
自身もコースレコードで駆け抜けながらもクビ差2着。後方から上がり最速で急追したが、白毛のライバルにまたも届かなかった。
「18番枠、ありがとうですね」
珍しく大外枠に対して皮肉交じりのコメントを出したルメールだったが「枠順ばかりは仕方がありません。次のオークス、頑張ります」と表情は意外にサバサバしたものだった。
道中は後方から進めて4角では“圏外”とも思われた16番手。前後4ハロンが45秒2―45秒9とほぼイーブンペースを考えれば、そこから追い込むのは至難のワザ。それでも究極ともいえる上がり32秒9の鬼脚でクビ差まで迫ったことは、改めて非凡な能力を満天下にアピールした格好だ。
アパパネ、アーモンドアイと3冠牝馬を2頭育て上げた牝馬マイスターの国枝調教師は「敗軍の将、兵を語らずだよ」と切り出したが「やっぱり枠だね。もうちょっと内だったら、ある程度のポジションを確保できたと思う。それにレイナスにマイルは少し忙しいから」とコメント。
これで対ソダシでは2戦続けてタイム差なしとはいえ連敗。ただ、陣営のコメントから「オークスの舞台なら」との自信が見え隠れする。白毛のライバルは底知れない能力を感じさせるのは確かだが、広い東京コースの2400メートルで能力全開ならば、3度目の正直の可能性は相当大きいように思える。