大和市上草柳の市郷土民家園で、旧小川家住宅の茅(かや)屋根の葺(ふ)き替え作業が本格化している。葺き替えは1994年に同園に移築・復元されてから初めて。
同住宅は江戸時代中期に建てられた寄せ棟造りの農家で市の重要有形文化財。昨年10月に材料となるススキ約2千束を静岡県御殿場市の茅場で採集、今年3月に入って屋根の古い茅を取り除き、下地の竹を交換するなどして準備を整えた。
葺き替えは3月下旬に開始。長さ約2メートルのススキの束を下側から順番に載せ、数十センチの厚さまで積み上げて、5月に周囲をきれいに刈り込んで仕上げる予定だ。
作業には岐阜県高山市の職人4人が参加し、柵越しに見学が可能。茅屋根の葺き替えは市内では珍しく、同園は貴重な伝統技法や工程を紹介するパネルを近く設置するという。