日本のツチノコ、カッパとは違う! カナダで伝説UMA「オゴポゴ」の著作権争い 

本紙は2008年3月7日付一面で「ツチノコ」発見を報じているが…

カナダで、UMA(未確認生物)に対する著作権が争われたという。ブリティッシュ・コロンビア州のオカナガン湖に生息しているといわれている水棲UMAの「オゴポゴ」をめぐってのことだ。

オゴポゴは、先住民たちの伝説にも「ナティアカ」という名前で登場し、ネッシーのような姿のオブジェが作られるなど現在は現地の観光資源にもなっている。だが近年、誰がオゴポゴの著作権や商標を有しているのか、またどのような形で商品化するのがよいかという点について、意見の相違が生じているようだ。

1956年にカナダにあるバーノン市が、ある児童文学作家に対しオゴポゴの名前をタイトルにした本を出版する権利を与えた際、地元の先住民から抗議があったという。その後、地元の議会がオゴポゴの権利を投票で決め、結果的にシルクス・オカナガン・ネーション(先住民のオカナガン族)に権利が譲渡された。

大昔から言い伝えられている伝説のUMAだけに、著作権を争うのは難しいように感じる。

オカルト評論家の山口敏太郎氏は「個人の知的所有権を優先するカナダらしい結果です。日本では信じられないですね。昔、ある地域が妖怪の名前で商標登録をしようとしたことがありましたが、それは阻止されました。最近ではアマビエで同じことをしようとしていた企業がありますが、これも未然に防がれています」と話す。

日本ではアイヌ民話に登場するコロポックルという妖精のような存在の小人がいる。

山口氏は「コロポックルをアイヌ民族の人が優先的に独占するということはありませんよね。日本人なら全て等しく平等にコロポックルを共有しています。妖怪たちと共存する日本人と、未確認生物を各民族のアイデンティティーとするカナダとの違いが明確になっています。自然に対する考え方の違いでしょうか」と説明する。

確かに日本ではカッパやツチノコの権利を主張する人はいないだろう。

© 株式会社東京スポーツ新聞社