【J1】首位攻防戦で4発圧勝の川崎に「無敗優勝」の期待高まる

先制した旗手怜央

Jリーグ史上初となる「無敗優勝」の期待が高まっている。首位の川崎は29日、敵地で2位名古屋との首位攻防戦に4―0で完勝した。今季12試合で3失点と堅守を誇る名古屋から4得点を奪取。試合終盤には主力を次々に交代させる余裕を見せるなど、圧倒的な力の差を見せた。

大一番を制した鬼木達監督(47)は「細かいところは言えないけれど、攻め切ることをテーマにやってきた中で(選手が)体現してくれた」とし、先制弾をマークしたFW旗手怜央(23)も「プライドの勝負と言われていた。攻撃の質や球際など、こだわったので、結果につながった」と、納得の表情を見せた。

ここまで開幕から13戦負けなし(2分け)とし、今季も独走ムードが漂っているが、早くも無敗リーグ制覇への期待が高まっている。ネット上のコメント欄には「マジ強い。このまま無敗優勝しそう」「堅守の名古屋に完勝。勝てるチームはない」「川崎強すぎ。無敗で優勝するぞ」などの声が殺到している。

あるJクラブの強化担当者は「川崎の場合、選手の質が良いのはもちろん、ここ4年で3度も優勝し、チームに自信もついている。昨年もそうだったけど、どのクラブも川崎に負けないように対策しても、それを上回ってくる。さすがに無敗は難しいだろうけど、そう思われるくらいの力と選手層がある」と話した。

実際、川崎は元日本代表のFW小林悠(33)や10番を背負う同MF大島僚太(28)と主力の2人が負傷で離脱している。それでも大幅な戦力ダウンにならず、安定したチーム力で快進撃を続けているため、周囲も快挙を待望しているといえそうだ。

欧州では1991―92年にイタリア1部ACミランが同国初の無敗Vを達成し、2003―04年にイングランド・プレミアリーグのアーセナルも負けなしでリーグ制覇、11―12年にはイタリア1部ユベントスが無敗優勝を果たしている。近年「J最強クラブ」と呼ばれる川崎は、この勢いのまま偉業を成し遂げられるだろうか。

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