早乙女に扮し丁寧に苗植え 新上五島で初の御田植祭 県神社庁支部

苗を丁寧に植える早乙女ら=新上五島町青方郷

 県神社庁上五島支部(江口一二三支部長)は2日、長崎県新上五島町青方郷で同町で初めて「御田植祭(おたうえさい)」を開催。住民ら約60人が参加し、豊作を祈願した。
 新型コロナウイルスの影響でさまざまな地域行事が中止となる中、「少しでも島に明るい話題を提供したい」と、感染対策を講じた上で実施した。
 同町の農業、前田芳朗さん(64)が耕作する水田(約150平方メートル)が会場に選ばれた。地元の小学生ら4人が早乙女に扮(ふん)し、丁寧に苗を植えた。豊作に感謝する神楽「箕舞(みいまい)」の奉納もあり、訪れた住民らを喜ばせた。
 江口支部長は「年々、田んぼが少なくなっていくのを目の当たりにし、里の風景や伝統、米作りの文化を絶やしてはいけない、農家の皆さんを元気づけたいと思った」と話した。
 献穀米の収穫は30キロを見込み、同支部管内の各神社に奉納される。

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