長崎市コロナ急拡大 田上市長「慎重な行動を」 公共施設の休館延長、協力金申請開始へ

新型コロナウイルス感染拡大への注意喚起のため赤色に点灯した稲佐山山頂電波塔=長崎市

 新型コロナウイルス感染の急拡大に伴い、県独自の緊急事態宣言が長崎市に8日発令されたことを受け、田上富久市長は臨時の記者会見を開き、不要不急の外出やカラオケ利用の自粛など「慎重な行動」を市民に求めた。市内公共施設の休館は11日までの期限を5月末まで延長。営業時間短縮要請に応じた事業者への協力金は17日から申請受け付けを開始する予定。それ以外の影響を受けている事業者を対象にした市独自の一時金支給も検討していることを明らかにした。
 休館期間を延長するのは、原爆資料館やグラバー園などの主要観光施設のほか、長崎ブリックホールや各種運動施設、各地域にある公民館やふれあいセンターなど計147施設。市主催イベントも5月末まで原則、中止や延期、無観客、リモートでの開催とする。感染拡大に注意を喚起するため、稲佐山山頂の電波塔を8日から赤色にライトアップした。
 市内飲食店などへの時短要請(午前5時~午後8時、酒類提供は午後7時まで)も5月末まで延長。要請に応じた事業者への協力金は「支払いが遅くならないよう」(田上市長)に当初期限の11日までを「第1期」と区切り、17日から受給申請受け付けを始める予定。12~31日を「第2期」とし、別に受け付ける。
 前回の県の緊急事態宣言が発令された今年1、2月、市は売り上げが減った中小事業者に独自の一時金を支給した。対象業種は飲食店だけでなく、美容室や学習塾といった対人サービス業など幅広かった。田上市長は今回も「何らかの対応が必要」とした。
 市内ではこれまでに18件のクラスター(感染者集団)が発生し、うち5件は昼にカラオケを提供する店。田上市長は、市民にカラオケの利用を控えるよう、事業者にはカラオケ設備の提供自粛を呼び掛けた。
 田上市長は、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数が「東京と同レベル」と強調。その上で「第4波は変異株の流行もあって『前は大丈夫だったから』という気の緩みが感染拡大を招く。慎重な行動をお願いしたい」と市民に求めた。

 


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