日本医師会・中川会長がパーティー参加で大炎上! 背景に自民党「身勝手ルール」

政治資金パーティーを行った自民党・自見英子参院議員

もはや説得力ゼロ――。日本医師会の中川俊男会長(69)は12日、「まん延防止等重点措置」期間中だった4月20日に都内で開かれた自民党の自見英子参院議員(45)の政治資金パーティーに参加していたと「文春オンライン」に報じられたことを受けて、謝罪した。中川氏は「感染防止対策は徹底した」と弁解したが、これまで国民に厳しい口調で徹底した感染予防対策を求めてきた張本人。それだけに国民は怒り心頭だ。

中川氏は先月20日、後援会長を務める自見氏の政治資金パーティーに出席した。日本医師会の幹部ら約100人が出席したが、本人は感染対策ガイドラインに基づいて検温やマスクの着用、手指消毒などを徹底したうえで食事は提供せず、「感染対策は十分だった」と釈明した。

新型コロナ禍での政治資金パーティーには、以前から批判の声が上がっていた。それなのに「国民が新型コロナに慣れてしまい、自粛という我慢は限界にある。国民の中に危機感、緊張感を呼び戻さなければならない」などと再三再四、感染予防対策の徹底を呼びかけていた中川氏が発起人だったというから、あきれるばかりだ。

ネットでは当然、国民の怒りが大爆発。「上から目線の物言いしておきながら、これ…。もう二度と新型コロナ対策について口を出すな!」、「散々コロナの危険性を煽っておきながらこれか。虐げられる旅行業に関わる身として絶対に許さない」、「今まで偉そうにして恍惚感に浸りたかっただけだろ」などなど、中川氏に対する怒りの声があふれ返った。

中川氏は「多くのみなさまが我慢を続けてくださっているなかで、慎重に判断すればよかった」と悔いたが、あとの祭りだ。以前からコロナ対策で各方面を批判する姿に「人任せで批判するパフォーマー」と揶揄されてきたが、今回の愚行でダメ押しとなった。なぜこんなことをしたのか?

永田町関係者は「選挙=カネのため」として、こう明かす。

「中川氏が後援会長をしているように、自見さんは日本医師会がバックにつく〝お抱え議員〟で、来年に改選を迎える。自身も父も医師でカネには困っていないイメージだが、それでも選挙はカネがかかる。ところが新型コロナ禍で政治資金パーティーを見送れば、いつ開催できるかわからない。そこで日本医師会が主導で『カネを集められるうちにやってしまえ』とやったのでしょう。直前に麻生派も開催してましたからね」

新型コロナ禍の政治資金パーティーは、自民党の中でまん延防止等重点措置期間中は黙認されてきた経緯がある。麻生派は先月13日、「不要不急ではない」として政治資金パーティーを開催している。先月20日の自見氏の政治資金パーティーも同期間中で、緊急事態宣言下ではなかった。

しかし中川氏が発起人の政治資金パーティーならば、看過できるものではない。というのも自見氏の政治資金パーティーがあった翌21日、中川氏は日本医師会の定例記者会見で「3度目の緊急事態宣言は不可避の状況」との見解を示し、早急に厳しい制限を伴った緊急事態宣言の発令を政府に要望していた。緊急事態宣言下となると政治資金パーティーを開催できないため、「今のうちにやってしまおう」と考えたと言われても仕方がないだろう。

前出の永田町関係者は「参加者はほとんどが身内の関係者たちで、パーティー券を購入して来る一般市民はいない。外部に漏れると思っていなかったのでは」と話す。

中川氏は日本医師会会長の辞任について「そういうつもりはまったくございません」と断言したが、日本中の冷ややかな視線が突き刺さるばかりだ。

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