広島のドラフト1位新人・栗林良吏投手(24)が獅子奮迅の活躍だ。16日のDeNA戦(マツダ)では3―3の9回に登板し、二死一、二塁のピンチを招くも無得点で切り抜け、自身が持つ新人の初登板からの連続無失点記録を17試合に更新した。
1年目ながら守護神として確固たる地位を築いている。安定した成績を残せている背景には社会人・トヨタ自動車の大先輩からプロ入り直前にもらったアドバイスがあるようだ。その〝恩人〟というのが昨年限りで引退した元中日の吉見一起氏(36)で、引退試合となった昨年11月6日のヤクルト戦から数日後、トヨタ自動車の練習場を訪れた際に栗林はあいさつをする機会を得た。
吉見氏から言われたのは「ずっと勝とうとしても、いつか負ける時が来る。先発なら月2勝だったり、3勝とか、そういう目標にすれば負けた時に切り替えやすいよ」ということ。現在守護神を務める栗林は「僕もそのことを聞いて(今は)リリーフですけど10試合を一区切りにしてやっています」と明かす。
生き馬の目を抜くプロ野球の世界で勝ち続けることは至難の業だ。「結局、切り替えることが一番大事だと思います。そういう考え方だとか、余裕を持つことが大事だなと思う」と自分なりに言葉をかみしめている。
抜群の制球力を誇る栗林だが、名城大時代は制球に自信がなく、吉見氏の投球をユーチューブなどを見て研究していたという。〝憧れの人〟からの言葉を胸にプロでさらなる飛躍を目指す。