殺人ピエロが米国で暴れ回る 不安につけ込み悪質ないたずら

ピエロは陽気な方がいい(写真はイメージ)

現在、米国で「キラー・クラウン(殺人ピエロ)」が暴れ回っている。また、英国では「ペスト医師」が出没し、警察沙汰になっている。新型コロナウイルスの影響で人間の心が常時不安になっており、その不安につけ込んだ都市伝説が広がっているのだろうか。

米国では「ファントム・クラウン」「キラー・クラウン」など、ピエロにまつわる都市伝説が存在する。明るく楽しいピエロが、近づいてきた子供をさらって殺してしまうというものだ。

この都市伝説をなぞったようないたずらを動画撮影して、SNSにアップする人たちが問題になっている。

先月末、ミネソタ州アナンデール市の警察署長がSNS上でこのピエロについての注意喚起を行った。ミネソタ州で街中をうろつくピエロの目撃情報が多数寄せられ、警察は捜査を進めているという。

また、英国では「ペスト医師」のコスプレでうろついた人間が逮捕される事件が発生。ペスト医師とは、17世紀ごろの欧州で猛威を振るったペスト(黒死病)の治療にあたった医師たちの正式な服装だ。

巨大な鳥のくちばしのようなマスクにロングコート着用の姿は不気味だ。英国ではこのペスト医師が複数の町で騒ぎを起こし、地元警察は厳重注意や逮捕をしているが、模倣犯が多いのか、出現は止まらないようだ。

このような風潮に、オカルト評論家の山口敏太郎氏はこう語る。

「キラー・クラウン、ペスト医師に共通して言えることは、いずれも表情が全く読めないところです。人間は表情が読めない相手を非常に不安に思う傾向があります。ましてやコロナで人と人とのつながりが分断されている今、他者に対する不信感、および恐怖心が増大しているのではないでしょうか。コロナのせいで世界中で他人に対する不信に満ちあふれているのが、象徴される都市伝説ではないでしょうか」。早く平和な日々を取り戻したいところだ。

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