守護神デラロサ帰還で免れた〝巨人ブルペン崩壊〟…球団内で危惧されていた「登板過多」

試合前練習で元気な姿を見せたデラロサ

久しぶりの吉報だ。巨人は18日の広島戦(東京ドーム)に7―2で逆転勝ち。相次ぐ主力選手の離脱で一進一退の戦いが続く中、うれしい知らせが舞い込んだ。守護神のルビー・デラロサ投手(32)が、早ければ25日から始まる交流戦で戦列復帰する公算が高まった。デラロサ不在の戦力ダウンは想像以上で、球団内で危惧されていた〝最悪のシナリオ〟とは――。

劣勢を力でハネ返した。5回に2点を先制されながら、直後の攻撃でウィーラーの2点適時二塁打で逆転。7回には岡本和の4年連続2桁本塁打となる10号2ラン、日米通算200号となるスモークの2者連続アーチで一気に突き放し、6回2失点でまとめた先発・戸郷は約1か月ぶりとなる3勝目をマークした。

そして、この日は首脳陣にもひと筋の光明が差し込んだ。特にブルペン陣のやりくりには難しいかじ取りを迫られてきたが、守護神のデラロサが戦列復帰する見通しが立ったのだ。右腕は米国市民権を取得する手続きのため、4月中旬にチームを離れ、今月3日に再来日。自主隔離期間を終え、この日の試合前練習に合流し、元気な姿を見せた。

原辰徳監督(62)によれば、19日の広島戦前にはシート打撃に登板する予定で「その様子をまた見て」とした。段階を踏ませるとすれば、21日から行われるジャイアンツ球場での二軍戦で実戦復帰し、順調ならば25日からの交流戦に間に合う可能性も高まってくる。

シーズン中のデラロサの渡米は球団もチームも了承済みではあったが、その穴は「思っていた以上に大きかった」(球団関係者)のが本音という。

僅差でリードした9回を任せられる右腕がいなくなったことで、真っ先に負担が押し寄せたのがリリーフエースの中川皓太投手(27)だった。時にはクローザー、またある時は同点の8回に相手の主軸を封じるために登板…と出番が増加。最長で4試合連続で登板し、42試合を消化した18日時点で21登板はチームトップだ。

そこで叫ばれていた最悪の展開が、登板過多となった中川までもが〝共倒れ〟すること。「8、9回をある程度2人で固定できれば、7回は鍵谷や高梨とか他の投手をつぎ込んでしのげる。だけど、このまま(中川)皓太が壊れたら、どうにもならなくなる」(同)と危機感は日増しに高まっていた。

一時はデラロサに代わる守護神候補にビエイラを立てたが、うまく機能せず〝中川頼み〟が加速してパンクしたら、ブルペンが崩壊してしまう――。そんな限界ギリギリの状態でデラロサの帰還に一定のメドが立ったことは、何よりの朗報だ。

貯金を今季最多タイの8に戻し、首位を走る阪神とも3・5ゲーム差に縮めた巨人が、徐々に反攻態勢を整えていく。

© 株式会社東京スポーツ新聞社