大火砕流から30年 「普賢岳」朗読会 日記基に災害伝える 23日上演 元島原市職員・内嶋さん

公演に向け、朗読の練習をする内嶋さん=島原市、森岳公民館

 長崎県島原市で舞台芸術などの創作活動に取り組む元市職員、内嶋善之助さん(68)が23日、雲仙・普賢岳噴火災害当時の状況や記録、自身の心境を克明に記した日記を基にした朗読会「6.3 普賢岳の怒り」(約70分)を同市城内1丁目の森岳公民館で上演する。午後2時開演。入場無料。
 内嶋さんは高校生の時から日記を書くのが習慣。噴煙が上がった1990年11月17日をはじめ、91年6月3日の大火砕流発生当日など災害当時の様子を書き残していた。昨年、日記を基に本を制作。内容を抜粋した朗読会も開催した。
 今回は土石流が初めて発生した91年5月15日の前日の14日から、大火砕流が発生した翌日の同6月4日までの日記を読み上げる。大火砕流発生直後、火山灰に覆われ真っ黒になった空の様子や「何人かの人が巻き込まれた模様」という無線の復唱を聞いた際の状況、救助に当たった市職員が「消防服は焼けてなかとさ。何人も死んでいると思う」と叫ぶ様子などを迫真の朗読で再現する。
 内嶋さんは「噴火災害を経験した者として、記録を後世に残さなければいけないという責務を感じる。当時のことを伝えたい」と話す。6月3日午後3時から約20分、雲仙岳災害記念館(同市平成町)でも上演する。常設展示の入場料が必要。問い合わせは内嶋さん(電0957.62.2097)。

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