【東京五輪】五輪・元IOCの法律専門家が「開催判断は国に主導権」と指摘

東京五輪はどうなる?

元国際オリンピック委員会(IOCの)の法律専門家が、新型コロナ禍で中止の機運が高まっている東京五輪の開催判断は日本政府にも主導権があると指摘した。

フランスのラジオ局「RTL」は、東京五輪の開催判断についてスイス・ローザンヌ大学行政学教授で国際オリンピック委員会(IOC)の要職にもあったジャンルプ・シャプレ氏の見解を紹介。「開催判断の決定は共同で提示されるが、国が主導権を握っている」と注目の指摘を行った。

同氏は五輪を中止する権限は正式にはIOCにあるが、開催都市契約には「参加者の安全が深刻に脅かされている場合」には開催都市からIOCに対して開催を返上できる規定があると指摘。実際に、1940年の開催が決まっていた東京五輪は日中戦争のため日本側から開催を返上している例もある。

新型コロナ禍は世界中で340万人、日本でも1万1000人以上の死者を出しており、今もなお感染者が急増しているだけに「参加者の安全が深刻に脅かされる」状況にあたるとの分析。そうなれば日本の意思で開催権を返上できるというわけだ。

同氏は結局鍵を握るのは経済的な損失とみており、中でも大きなポイントとして「テレビの放映権が開催中止の場合はどうるのか。それは長期的に法的な負担をかける」と予測した。

命かカネか。開催中止に動ける日本政府や大会組織委員会はどのような決断を下すのか。

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