「麦わらでストロー」プロジェクト始動 佐世保商高 作り方を小中学生や海外にも

大麦のわらを使ってストローを作る生徒=佐世保市、佐世保商業高

 長崎県立佐世保商業高(佐世保市吉岡町)で、大麦のわらで作るストローの普及を目指すプロジェクトが始まった。地域の小中学生らにも作り方を伝え、廃プラスチックの削減につなげる。継続的な取り組みで環境保護の担い手の輪を高校生から広げていく。
 元々麦わらから作られていたストローは、コストや生産性の面から時代とともにプラスチック製に。だが、海洋汚染が問題となり、プラスチック製の使用廃止が見込まれている。
 取り組むのは国際コミュニケーション科の2年生40人。昨年度、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」について学び、今年は「実践の1年」と位置付けている。
 麦わらストローは節と節の間で切り、誰でも作れる簡単さが特長。初回の18日は、開発途上国の支援に取り組む鎮西学院大の南川啓一教授とゼミ生の吉川可恋さん(22)が講師となって、本県で栽培が盛んな大麦を有効活用できることを説明し、作り方を指導。生徒らは完成したストローでジュースを飲んで使い心地を確かめた。
 具体的な取り組みは今後詰めるが、生徒が小中学校に出向いて作り方を教えたり、将来的にはユーチューブで海外への配信も想定している。平野萌さん(16)は「麦わらからストローができるとは知らなかった。自分たちにできるSDGsがあることが分かって良かった」と話した。国際コミュニケーション科主任の弓削靖子教諭は「自分の力で、社会に小さな変化を起こす経験をしてほしい」と期待を込めた。

© 株式会社長崎新聞社