前園氏が指摘 U―24日本代表の気になる“3つのポイント”

東京五輪代表チームも吉田が主将を務める

金メダル獲得を狙う森保ジャパンの最終選考で気になる“3つのポイント”とは――。日本サッカー協会は20日に国際親善試合U―24ガーナ戦(6月5日、ベススタ)とジャマイカ戦(同12日、豊田)に臨む東京五輪世代のU―24日本代表を発表し、OA枠の選手が初合流することになった。新型コロナウイルス禍で本番ムードも高まらない中、本紙評論家で元日本代表の前園真聖氏(47)が注目点を指摘した。

様々な選手が候補に挙がったOA枠は、DF吉田麻也(32=サンプドリア)、DF酒井宏樹(31=マルセイユ)、MF遠藤航(28=シュツットガルト)の3選手が招集された。

森保一監督(52)は「基本的には本大会も戦ってもらいたい」とアクシデントがなければこの3人が本番でもOAになると明言。「絶対的な戦力であり、若い選手たちにも影響力がある。プレー以外の面でも行動で示してくれ、コミュニケーションを取りながら若い選手の成長を促してくれる3人だと思う」と東京五輪世代との相乗効果に大きな期待を寄せた。

いよいよOA選手が決定して五輪世代チームに初合流するだけに、前園氏もその重要性を強調する。「チームのコンセプト、チームとしてのそれぞれの役割を確認することが大事になります」。中でもキーマンは吉田だ。「経験値があり、リーダーシップもあります。若手を引っ張ってくれる。短期決戦ではうまくいかないときの修正が重要になりますが、そこでも麻也の経験が生きるでしょう」とピッチ内外での活躍に太鼓判を押す。そうした信頼感から指揮官は「そこを基本として考えていきたい」と吉田を本大会での主将に指名した。

また6月の2試合は最終選考の場となるだけに前園氏は「個のアピールも重要になります」と力説。中でも注目は、MF三笘薫(24=川崎)だという。「Jリーグでは活躍していますが、3月のアルゼンチン戦では全く力を出せていませんでした。代表でどれだけやれるのか、今回はとにかく結果を求められます」。J1では今季も7ゴールを挙げてチームの首位独走を支えているが、MF久保建英(19=ヘタフェ)らとの連係を含めて代表でいかに存在価値を示せるか今回が正念場となる。

さらに現在はコロナ禍の深刻化により、東京五輪の開催が危ぶまれ、選手もメンタル面の維持が不安視される。それでも前園氏は「選手は開催を想定して動揺もなく準備するでしょう。たとえ五輪が開催されなかったとしてもW杯があり、クラブでの勝負もあります。五輪がゴールではなく、プロなので置かれた状況に対処できるはずです」と断言した。

様々な要素が絡み合う最終テストの場でイレブンが、どのようなプレーを見せるのか。本番に向けた実りのある活動にしたいところだ。

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