【サイバーフェス】武藤 GHC王座V3戦で丸藤を倒し“4団体のファンを独占”

武藤は4団体制圧に自信満々だ

ノアのGHCヘビー級王者・武藤敬司(58)がDDT、ノア、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレスが合同開催する「サイバーファイトフェスティバル2021」(6月6日、さいたまスーパーアリーナ)に向けて闘志をみなぎらせている。当日は丸藤正道(41)を挑戦者に迎え「トリプルメインイベントⅢ」と銘打たれたV3戦で大会の大トリを務める。勝利はもちろん4団体全てのファンの視線を独占するつもりだ。

昨年6月のユニット「エムズアライアンス」結成から行動をともにしてきた丸藤に挑戦を表明されたのは、4月29日の名古屋大会でマサ北宮を下したV2戦直後。これに武藤は「俺が王者になって、彼にも野心が出てきたんだよ、きっと。レスラーとしての性(さが)だからしょうがねえ」と話す。

丸藤を評して「いちずにノアという団体を背負って守ってきたよね。丸藤がいたから、ノアという団体が残ったというか。『ノアの丸藤』っていうよりも『丸藤のノア』って言っていい」と分析。その上で、国内外問わず数多くのリングを渡り歩いた自身を引き合いに「生き方で言えば正反対だよな。だから主張の戦いだよ。生きざまのぶつかり合いというか。その化学反応で、見に来た人を元気にさせることができればいいかなあと思う」と勝利を誓った。

今大会ではサイバーファイトグループに所属するDDT、ノア、東京女子、ガンバレ☆プロレスの4団体の試合が行われる。武藤は「いろんな団体の選手がいろんな主張のプロレスをするから難しいと思うよ。例えばノアだったら1試合目からメインに向かってピラミッドのように進むけどそれが違うから」と指摘。

しかし「だからこそ経験がものを言う」。

その一例が1999年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会だ。第5試合では大仁田厚が佐々木健介に火を放って反則負け。第8試合の橋本真也VS小川直也は、小川が大暴走ファイトで橋本をKOした末に無効試合となり、両者のセコンドによる大乱闘に発展した。プロレス史に残る“1・4事変”も、メインの第10試合で武藤がスコット・ノートンを破りIWGPヘビー級王座を奪取して見事に締めくくったのだ。

「俺には新日本で小川や橋本や(アントニオ)猪木さんや長州(力)、藤波(辰爾)が寄ってたかってリングを汚した後に、一人で出て行ってきれいにしてきた経験がある。それに比べれば…だろ(苦笑い)。小川VS橋本の後なんて一人ぼっちで出て行ってさ。そういうのも含めて自信があるんだよ」

4団体の混在に選手たちが戸惑う中、武藤には自分だけが光り輝く未来が見えているようだ。「例えば女子プロレスを応援に来たおっさんたちも俺を見て『なんだこの還暦前のハゲたじじいは』って最初は思うだろう。でもその親父たちのハートも視線もこっちに向かせますよ。ベストを尽くします」と自信を見せる。予告通りアラカン王者がビッグイベントですべてをかっさらうのか。

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