世界はやはり東京五輪開催へシフトにしているのか

IOC・バッハ会長(ロイター)

日本国内では新型コロナウイルス感染拡大の影響で東京五輪の中止世論が高まりを見せている中、世界は開催へかじを切る流れとなりつつある。

〝ぼったくり男爵〟こと国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長らIOC幹部は、開催ありきの姿勢を崩さず、21日にはジョン・コーツ副会長が緊急事態宣言下でも行うと発言して、多くの反感を買った。かねて批判を浴びている金銭面のことしか考えてないから日本の国内世論など気にしていないのだろう。

ある意味IOCの思考回路は分かりやすいと言えるが、ここにきて2024年にパリ五輪を控えるフランスが積極的な動きを見せた。同国のロクサナ・マラシネアヌ・スポーツ相は21日にエマニュエル・マクロン大統領が、主要国首脳で初となる東京五輪開会式に出席する意向を明かした。つまり反対の意思はないということだ。

フランスは24年の五輪のほか、23年にラグビーW杯を開催する。それだけに日本のあるスポーツ団体幹部は「東京五輪や来年の北京五輪を含めて五輪やW杯のような、大きなスポーツイベントが中止になるような流れをつくりたくないのでは」と指摘。となれば、フランスに続いて主要国首脳が、実際に何らかのアクションを起こす可能性は高い。

日本政府や東京五輪・パラリンピック組織委員会など日本の主催サイドは、こんな世界の流れを踏まえているから、開催一点張りでいられるのかもしれない。やはり健康を第一に願う多くの一般国民の願いは届かないのだろうか――。

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