大相撲夏場所千秋楽(22日、東京・両国国技館)、大関に復帰した照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)が大関貴景勝(24=常盤山)をはたき込んで2場所連続4度目の優勝を決めた。
逆転は許さなかった。照ノ富士は貴景勝に突き落とされて互いに12勝3敗で並び、決定戦に持ち込まれたが、最後は相手を土俵にはわせた。
21場所ぶりの大関返り咲きとなった今場所は初日の幕内明生(25=立浪)戦で白星発進すると圧倒的な強さで10連勝。11日目の幕内妙義龍(34=境川)戦では、まげをつかんだとして反則で初黒星を喫したが、Vレーストップを走り続けた。
王手をかけて臨んだ前日の幕内遠藤(30=追手風)戦は軍配差し違えで敗れ、賜杯はお預けとなった。しかし、引きずることなく、貴景勝との大一番で本来の実力を発揮した。
ただ、不安がなかったわけではない。場所前には師匠の伊勢ヶ浜親方(60=元横綱旭富士)が「ヒザの調子があまりよくない。どこまで頑張れるかちょっと分からない部分もある。稽古はちょっと足りてないと思う」と話していた。
それでも序盤戦から一方的な内容が目立ち、師匠は「今のところは大丈夫」と口にしたように、安堵したに違いない。
これで昭和以降、初の大関復帰場所V。名古屋場所(7月4日初日、愛知県体育館)では綱取りに挑む。