3週間の逃亡の末に五輪メダリストが殺人容疑で逮捕 懸念されるスポーツ界への影響

2018年アジア大会に出場していたクマール容疑者(ロイター)

英雄の逮捕にインドで衝撃が広がっている。インドの警察当局は23日、殺人などの疑いで、五輪レスリング男子で2度メダルを獲得したスシル・クマール容疑者(38)を逮捕した。地元メディアが伝えた。

クマール容疑者らは今月4日、ニューデリー市内のチャトラサル競技場でレスリング選手ら3人に暴行。23歳の選手が死亡し、クマール容疑者らが殺害した容疑を持たれている。

クマール容疑者は暴行後に逃走。10万ルピー(約15万円)の懸賞金がかけられながら約3週間に渡る逃亡生活を送った。23日、二輪車に乗っているところを逮捕された。

同容疑者は08年北京五輪で銅メダルを獲得し、ロンドン五輪では決勝で米満達弘氏(34)に敗れたが銀メダルに輝いた。東京五輪も目指し、練習を積んでいたという。

北京五輪ボクシング銅メダリストのビジェンデル・シンは「彼がインドのスポーツのために行ったことは、決して彼から奪うことはできないものです。現時点で私が言いたいのはそれだけです。これ以上コメントしたくない」と言葉少な。卓球のアチャンタ・カマルは「彼は我々が誇る最高のアスリートの一人です。みんな彼を見上げてきた。もし本当ならレスラーだけでなく、他のスポーツ選手にも悪影響を及ぼすだろう」とインドメディアに話している。

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