市と企業が陳謝 工事入札予定価格、庁内で約10人把握

 糸魚川市職員の久保田雅樹容疑者が官製談合防止法違反などの疑いで、猪又建設(同市大町1)営業部長の古川浩容疑者と同営業係長の佐々木将容疑者が公関係競売入札妨害の疑いで19日、県警に逮捕されたことを受け、市と同社は20日、事実関係を説明し陳謝した。

糸魚川市役所で行われた記者会見。久保田容疑者が漏らした予定価格を知り得たのは10人程度だったことが分かった

 市の説明によると、官製談合の疑いがある工事の予定価格は遅くとも昨年11月24日の公告までに設定。予定価格を知りうる立場にあったのは、久保田容疑者を含め所管課長以下数人と産業部長、入札を担当する財政課長以下数人と総務部長、2000万円以下の予定価格設定を決済する藤田年明副市長の10人程度だったという。

 米田徹市長は、自身で決裁しない発注工事の落札状況について、報告を得るなどしているか、との質問に対し「自身が建設業出身のため、なるべく近づかないようにしている」と答えた。久保田容疑者の処分は「(起訴される、などが)明確になってから判断したい」とした。

 19日、営業部長と同係長の2人が逮捕された猪又建設。同社によると佐々木容疑者は民間・公共工事の受注に向けた営業を業務としており、古川容疑者は営業部門を統括する立場にあったという。2人の処分は、今後の捜査や訴追の有無を確認して行うことにしている。

 猪又史博社長は20日、同社ホームページにおわび文を発表。「捜査に協力しながら今後の経過を見守ってまいります。社長としては、社員を監督する立場にあり、今回の逮捕を重く受け止め、事件の原因究明と再発防止対策に努めてまいります」とした。

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