大阪市トップと現場のミゾ浮き彫り…小中オンライン授業〝大混乱〟の舞台裏

松井市長

緊急事態宣言が発令された先月25日以降、原則オンライン学習とされてきた大阪市の小中学校で24日、通常の対面授業が再開されたが、市のトップと現場の溝が浮き彫りになりつつある。

オンライン授業開始初日、メディアを通じて報じられた模様は対応が進んだ一部の学校のもの。松井一郎大阪市長が「こういう事態に合わせて1人1台のタブレットの準備をしてきた」と胸を張る一方、現実は昨年度中に何とか“配り終えた”だけだった。多くの学校で通信面を中心に問題が発生しオンライン授業は機能せず。保護者だけでなく教職員からも不満の声が上がっていた。

こうした事態に大阪市立木川南小の久保敬校長は、松井氏や市教育長に文書を送付。苦言を呈したが、松井氏は「僕とは考え方が違う」「校長だけど現場がわかってない」「ルール違反ならやめてもらわな」などと不満をのぞかせた。府政関係者はこう話す。

「回線の容量は『考え方』とは違いますからね。校長の意見は事実に即した意見ですが、市長はことさら『考え方』の問題にしている。論点をそらしているのか、本当に文書を理解できていないのか。維新の得意な手法で、今回もルールに従えないなら辞めろという話になっている。集権的でトップダウンな方針をとり、身内の議員の不祥事には明確な基準がない」

子供が被害者にならなければいいが…。

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