自民党・佐藤勉氏の〝ワクチン打たせろ〟要求に上級国民批判「リモートしろよ」

ワクチン接種会場は長蛇の列だが…

そんなに早くワクチンを打ちたいのか――。自民党の佐藤勉総務会長(68)が25日、国会議員に新型コロナウイルスワクチンを先行接種すべきとの見解を示し、「上級国民か」「寝てばっかりいる議員に必要ない」と予想された通りの批判を招いている。

佐藤氏は会見で「既得権益を誇示するということではなく、大事な議論をしている国会議員が誰も打ってないこと自体、危機管理上おかしいのではないか」と話し、国会の本会議や委員会室が密になっていて、クラスターが起きてもおかしくないとの状況を挙げ、ワクチン接種の必要性を訴えた。

ワクチン接種の対象者は医療従事者から高齢者へと移行しているが、現時点では65歳以上しかメドが立っていない。全国の自治体では本来、対象者でない首長が医療従事者に準ずるとして、接種を受けているケースが相次ぎ、賛否両論分かれている。

また余剰ワクチンについては優先順位を決めて、無駄にしないような取り決めが始まったばかりだ。

佐藤氏は「国会がストップすれば何が起こるか考えるべき」「世論が怖くて、国会議員が打てないのはおかしい」などと主張したが、身内の自民党内からも「浅はかな発言でしかない」と批判の声が出ている。

「本当に自分たちのことしか考えていない発言。毎日危険と隣り合わせでいる現場の職員や役所の窓口業務などの人に優先すべきと訴えるべきで、議員が“上級国民”気取りである証明ですよ」(党関係者)

今年1月に病床が逼迫していた中、新型コロナ陽性が判明した自民党の石原伸晃元幹事長(64)が即日入院し、「上級国民か」「特別扱い過ぎる」と炎上した。

佐藤氏の発言にもネット上では「密になる環境ならリモートを導入すべき」「不倫をしている議員になんで優先させる必要があるのか」と非難ごうごうで、賛同意見は少数にとどまった。前出の党関係者は「『自分がワクチンを打つのは、最後の最後でいい』と男気あふれるメッセージを発信している議員もいる。佐藤氏にはその議員のツメのアカを煎じて飲ませたい」とあきれるばかりだった。

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