日本ハム・中田翔の復帰が遅れるワケ 親しいOBは「体調面というよりメンタルの問題」

中田は「一度思い悩むと引きずるタイプ」だという

日本ハム・中田翔外野手(32)の完全復帰が遅れる可能性が浮上している。打率1割9分7厘、4本塁打で17日に体調不良と打撃不振を理由に出場選手登録を抹消された悩める主砲は現在二軍で再調整中だが、気になるのはその動向だ。ファーム落ちしてから一度も二軍戦に出場していないばかりか、一軍復帰に向けて本格的に状態を上げているという声すら伝わってこない。この不穏な動きにチーム内からも「交流戦中に一軍に戻って来れるのか」という不安の声が上がり始めている。

栗山監督は交流戦前に中田の状態について「体のことを含めて翔らしくない」と説明。二軍で精神面を含め本来の状態を取り戻すべく原点回帰を促した。だが、そんな指揮官の思いとは裏腹に、生え抜き長距離砲の調整ピッチは鈍化のまま。主砲不在が長期化すればリーグ最下位に沈むチームの浮上は見込めないだけに栗山監督も頭が痛いところだろう。

中田に何が起こっているのか。本人と親しいOBの一人は「体調面がどうこうというより気になるのは、やはりメンタルでしょうね」と、こう続ける。

「外見からは想像がつかないかもしれませんが、翔は一度思い悩むと引きずるタイプ。4月に目を腫らしたころから野球に対する気持ちが入らず、悶々とした気持ちが続いたままなのでしょう。こういう時は憂さ晴らしで気持ちを一新できればいいのでしょうが、緊急事態宣言下で外出もままならないご時世ですから。この辺りも翔の復帰への足かせになっているはずです」

中田は最短で27日のヤクルト戦(神宮)から再登録可能となる。栗山監督は27日の試合前に「今は野手が一人多くなっているけど(近々)ピッチャーを入れ替える」と話したが、中田の昇格には触れなかった。眠れる主砲はいつ英気を取り戻し、戦列復帰するのか。関係者を含め周囲は固唾を呑んで見守っている。

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